共有iPadとは?
iPadでマルチユーザログインを可能とする iPadOS 13.4 以降で利用可能な機能です。
Apple Business Manager 上で作成された管理対象Apple IDを使用するユーザモードでは、管理対象Apple IDで「サインイン」すると、サインイン中は利用者に割り当てられているプロファイルが適用されます。
iPad内には、サインインする利用者(管理対象Apple ID)ごとにストレージが割り振られ、サインイン中は自身のストレージ、および管理対象Apple IDのiCloud上のデータにのみアクセスすることができるため、同じiPadを利用している他の利用者のデータへのアクセス、あるいは他の利用者から自身のデータにアクセスされることはありません。
もしくは、管理対象Apple ID不要のゲストモードで、不特定多数の一時利用者(ゲスト)にiPadを利用させることもできます。
ゲストモードでは、ゲストのデータや使用履歴は全てサインアウト時に自動的に削除されますので、他のゲストからデータを参照されることはありません
これにより、単一のiPadを複数の利用者で、それぞれの用途に応じて利用が可能です。
例えば、工場で利用されるiPadを、検品作業担当者、棚卸し作業担当者がそれぞれの作業を同一のiPadで実施することができます。
導入する上での留意点
<通常のiPadと比較して利用できない一部機能>
共有iPadでは、通常のiPadと比較して一部の機能が制限されます。
例えば、通常はプリインストールされているApple標準アプリの一部が使用できなかったり、特定のiCloud機能、端末操作によるOSアップデートの実施が行えないなどがあります。
具体的な項目については、以下のAppleドキュメントをご参照ください。
https://support.apple.com/ja-jp/guide/deployment/depc3485c493/1/web/1.0
BizMobile Go! の以下機能についても、通常のiPadと比べて、非対応の機能が一部あります。
各マニュアルページにて、対応有無をご確認ください。
<アプリ利用制御>
共有iPadでは、端末のストレージが共有領域 / 個人領域に分割されます。
アプリは共有領域に保存され、アプリデータは個人領域に保存されます。
そのため、テンプレートに割り当てられたアプリは初期状態では、その共有iPadにサインインする全ての利用者が使用可能な状態となります。
特定の利用者にのみにアプリの使用を許可したい場合は、利用者に割り当てるプロファイルを別け、それぞれのプロファイルでアプリ利用の制限を変えて使用をコントロールします。アプリの制限以外にもプロファイルを別けることで実現できる機能がございますのでご覧ください。
<アプリデータ管理>
アプリデータは、共有iPadの個人領域あるいはiCloudに保存されます。
iCloudに保存されたデータは、他の共有iPadにサインインした状態でも利用することができますが、アプリ毎にiCloudへの対応有無やデータ保存の仕様が異なります。
共有iPad上での使用に最適化されたアプリであるかどうかを確認する方法につきましては、以下のAppleページをご参照ください。
https://developer.apple.com/jp/education/shared-ipad/
<データ容量の管理>
共有iPad内は共有のストレージ容量(システム、Appおよびメディア)と、各利用者へ割り当てられるストレージ容量で分かれています。
※共有iPadには、容量が32GB以上のiPadが必要です。
利用者用のストレージは自動的に10分割され、サインイン中の利用者にそのうちの1つが割り当てられます。
一つの共有iPadに11人目の利用者がサインインを行なった場合、他の10利用者のうち、最もサインイン履歴の古い利用者のデータが自動消去され、その領域が11人目の利用者へと割り当てられます。
具体的な項目については、以下のAppleドキュメントをご参照ください。
https://support.apple.com/ja-jp/guide/deployment/dep6fa9dd532/1/web/1.0